巨匠


息子やその友だち、みんなで好きな絵を描いて、
ダンナがそれをPCに取り込んで、
それぞれ好きな色を塗って作品作り、というのが流行っている。
子供たちにとってMacは魔法の箱。
マウスで色塗りに挑戦したり、好きな場所に文字を置いてもらったり、
もう目が輝いちゃってる。

子供はみんな巨匠だなあと、つくづく感心する。
その思い切りの良さ、迷いのなさ、
上手く描こうとしてないからなんだけど、
それって、成長とともに失うものの中で、いちばん大きいかもなあと思う。

小学校4年くらいの時に、先生に作文をほめられたことがある。
特に書き出しが自然でとてもいい、と言われ、
すっかりうれしくなったあたしは、次の作文で、
さんざんあれこれ考え抜いた書き出しの一文を書いた。
でも、それはほめられなかったし、自分でもうーんと思うものだった。

誰かが言ってたぜ
俺は人間として自然に生きているのさ
自然に生きるってわかるなんて
なんて不自然なんだろう
吉田拓郎「イメージの詩」より

束の間の巨匠時代を過ごして、いずれは、と思うけど、
遠くばかり見ても仕方ない。
今は今。目いっぱい楽しんで、アートしちゃってねと願うばかり。