息子が友達に誘われて学校のクラブでサッカーを始めたのは、
2年前、小学校2年生になってすぐのこと。
練習を見に行って、初めて間近で見た小さい子のサッカーは、
とにかく全員がボールに集まってすぐ団子状態になって、
これサッカーじゃねーじゃん、と笑っちゃうやら歯がゆいやらだった。
サッカーの試合はずいぶん見てたけど、その時初めて、
サッカーって競技は、
フィールドを広く使ってスペースを探して打開して行くものなんだとリアルに感じた。
プロの試合とかテレビで見る代表戦とか、
基本的にそのへん当たり前に出来ちゃってるから、気づかなかったんだよね。
とにかくボールに反応しちゃうケモノみたいなドリブラーもいいけど、
やたらボールに集まるだけじゃやっぱり点は取れなくて、
大きく開いてスペースに走り込んだり、
全体を見る目を持って指示を出したり、
時には大胆にサイドチェンジする人もいないとうまくいかない。
これはサッカーに限らず、人間関係にも重なる部分が多くて、
サッカーでも、日常でも、
フィールドでもつれている時に俯瞰で考えたり、冷静に距離感を測ったりすることはとても難しいけど、
それは戦術論や組織論にとどまらず、
立場や考えの違う人を思いやったり、自分に置き換えたりすることにもつながる大切なことだ。
子どものスポーツクラブって、
体育会精神を勘違いしてスローガン読んで威張ってる視野のせまーい大人が結構いて、
サッカー見てすこしは学べ、バカ、と時々言いたくなる。
スローガンも理想も結構なこと。
でもゴールに至るロードマップを誠実に提示して、
問題意識を共有する姿勢がなければ、サッカーも人もバラバラなままだ。
私はお世辞にも人間関係が上手な方ではないし、視野の狭さには自信があるけど、
目の前のボールに集まってわあわあやってるだけのいい大人を見ると、
子どもの方がよっぽどちゃんとしてる、と思う。
スペース見つけて走り込まなきゃ駄目なんだよ。
困ったり、行き詰まったら、ともかく逆サイドを見る。
リスクを背負って駆け上がる味方の姿を見逃さず、
時には自分がリスクを背負って駆け上がり、
それによって信頼を獲得する。
スポーツはこういうことを一瞬の判断で一瞬で達成するからすごいなあ。
人と人だとなかなかそういうわけにも行かず。
そのようにサッカーから学ぶことは多いので、
リフティングの練習もしつつ、がんばれよ、息子、と思う。
サッカーでも、日々の中でも、
困った時は、逆サイドを見るんだぜ。
ステージ、創作、
どちらも主観と客観が交錯するフィールドが仕事場である私も、
胸に刻んでおきたい。
逆サイドを見ろ。