札幌雪待歌


札幌の雲は大きいなあ、と思ったら、空が大きいのでありました。
11月18日、きんと冷えつつ、青空のきれいな日でした。

すこし時間があったので、札幌駅から大通方面へぶらぶらと。
赤レンガ庁舎。
レトロモダン、と言ってしまえばそれまでだけど、
「不器用ですから」的に、本物はやっぱり本物感漂うわけで。
寒さに根を下ろして来た頑丈さが静かに伝わってくる建物だった。
ああ、9月の地震も、ちゃんと乗り越えたんだなって、思った。

初めて札幌「くう」で歌ったのは、11年4月。
東京はもう桜が咲いてたのに、
天気が悪かったせいもあって札幌は昼間でも5度とか6度という激さむ。
でも、それよりなにより忘れられないのは、街のコンビニの灯り。
東日本大震災から1ヶ月足らず。東京はまだあちこち暗くて、
だから札幌のコンビニの電気が普通に明るいのを見て、
なんだかホッとしてうれしくて、ちょっと涙出そうだった。

あれから7年半。
9月の胆振東部地震。
札幌も強い揺れ。東京で気を揉みながら、
ああ、今度は私の番だな、ちいさいけど光を持って行けってことだな、と、
勝手に奮い立ってしまったわけで。

元気でいてくれて、25年後の歌に会いに来てくれた皆さん、ありがとう。
ああここにも、あの日雨を見てしまった人たちがいる、と思えたこと、
なんて大きな勇気だろう。
光を届けるつもりが、
今回もやっぱり光をもらってしまったのは私の方だったな。
でも、お互いに光を持ち寄って、歌を照らした夜だったな。
アルバムを大事に手に取ってくれてありがとう。
毎度物販の読みが甘くて、最後CDもTシャツもなくなっちゃったのに、
私に声をかけるためだけに列を作ってくれた皆さん、ありがとう。

そして、あの11年の春以来お世話になってる「くう」の山本さんご夫妻。
地震の翌日、ご無事ですか、とメールして、
無事と返信いただいた時ほんとうにうれしかった。
普段はジャズミュージシャンの演奏が多いくう。
素晴らしいピアニストたくさん見てるはずの山本さんが、
いつも私のがちゃがちゃのピアノを「素晴らしい」とほめてくれることは、
心の底で大きな支えになってます。

翌日、一転雨の中東京に戻り、
さらに一夜明けたら札幌初雪の便り。
1週間ずれてたら、雪模様の中のライブだったんだなと思うと、
神さま青空をありがとう、と思いつつ、
でもちょっと惜しいことしたな、とも思いつつ。

25周年の独唱は、年明けに続きます。
チケット先行受付中。
京都で、広島で、また、あの日見た雨の話をしましょう。

25周年ワンマンライブ
独唱2018
「あの日見た雨の話をしよう」
札幌 くう

01.Dear
02.ひといろ
03.満天
04.灯をともそう
05.遥かなる
06.Flags
07.心歌
08.ひとり
09.Fool in the Rain
10.夜間飛行
11.Journey
12.流星の日

E.C
01.愛している
02.S