レスラー


110209

インフルエンザ騒動。
息子、今日から元気に復帰。
もらってしまった疑惑のあたし、
昨日微熱でビビったけど、
半日寝てたら復活。
ご心配下さった皆さん、ありがとう。

昼間がっつり寝て夜は元気になっちゃったので(笑)、
ゆうべはDVDで「レスラー」鑑賞。

こんなにいい映画、何年ぶりに観ただろう!

1年半前の映画なので今更だったらすみませんなんだけど、
それしか言葉が出ないくらい、よかった。
今朝起きてからもダンナとふたり、
「いい映画だったねええええ」
と余韻続きまくり。

始まった瞬間にわかるものすごい低予算ぶり。
アクションもないCGもない絶景もない大事件もない旬の大スターもいない。
ただ淡々と、でも切々と胸に迫るポンコツ讃歌。
老いて、ボロカスで、
でもやっぱりセクシーだったミッキー・ローク万歳。
制作会社の反対を押し切ってミッキー・ロークにこだわって、
そのせいで予算をギリギリまで削られて、
それをものともせず撮り切った監督、
ダーレン・アロノフスキー万歳(「ブラック・スワン」も絶対観る)。
孤独も堕落も引き受けて、
歳月にすり減っても、優雅であること。
失っても失っても、誇り高くあること。
そして、やさしいこと。
そう、ひとはみんな、なんてやさしくて、なんてバカで、
なんていとおしいんだろう。
全編を彩った、80‘sメタルサウンドも素晴らしかったなあ。
Quiet RiotやRattを聴いて、
あの頃はハッピーだった、なんて思う日が来るなんてなあ。

あと、すごく思ったのは、
これは最近世間を騒がせていることとつなげる気はないんだけど、
八百長だということは、真剣じゃないってことではない、ってこと。
あたしがボクシングや格闘技を無条件にすごいと思うのは、
なにはともあれ無条件に痛いから。
ものすごい訓練してないと死ぬものだから。
文字通り、命がけ。
プロレス界のそのあたりのことも、
物語のちょっとした伏線として描かれていて、
時期が時期だけに、色んなこと思ったりも、した。

ともあれ、
久々に抱きしめたくなるような映画に出会えて、
インフルエンザも吹っ飛んだ、かも。