デビュー27周年となるこの春、4月19日に代官山UNITにて開催されるはずだった私のワンマンライブは、新型コロナウイルスのため延期となりました。長く憧れの場所であったUNIT。ひょんなことから去年の秋に初めて歌わせていただき、よし次はバンドも呼んじゃお、と前のめりに準備を進めていたので、ただただ呆然としました。いまもまだ半分くらいぼんやりしています。朝起きて、あれ、なんだっけ? 何が起きてるんだっけ? みたいな。
ライブハウスもまた、くるしい日々を強いられることになりました。ほとんどの会場は3月から事実上の開店休業状態となっています。おそらく5月も全滅になるでしょう。目の前に次々と積み上がっていくキャンセルの山。スタッフの無念と疲弊は、メールのやり取りからですら伝わってくるほどでした。そして時が経つにつれてあちこちから聞こえ始めた閉店のニュース。多くの現場が、すでに焼け野原となっています。
2020年5月4日、代官山UNITのYouTubeチャンネル「MUSIC NON STOP#3」で、篠原美也子の弾き語りライブを配信します(私のデビュー記念日である4月21日にUNITにて収録された映像です)。無料配信ですので、どなたでもご覧になれます(アーカイブも残ります)。ご覧いただき、歌が、言葉が、声が、もし心に届いたなら、ドネーション(投げ銭、カンパ、おひねり、呼び方はなんでも)にご協力いただければ幸いです。UNITとのコラボレーションTシャツ、4月19日のライブで販売するはずだったカレンダーもラインナップさせていただきますので、ぜひ。いただいたお気持ちは、ライブハウスとアーティストが活動を続けるための資金とさせていただきます。
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世界がどうなってしまうのか、誰にも想像がつかない状況の中、ひとまずデジタル配信というかたちで「ライブ」や「ライブハウス」がどこまで持ちこたえられるのか、私にはわかりません。この嵐が過ぎ去っても、何ひとつ元には戻らないかもしれない、という恐怖も頭をよぎります。でも、コロナ以前だって決して平坦な道ではなかったし、先のことには目をつぶって、いまできること、を必死にやってここまで来たので、またそうやって乗り越えるしかないじゃん、と、若干やけくそ気味なれど腹を括っていたりもします。
来たるべき日に再びステージの幕を開けるために、なんとしても踏ん張らねばなりません。雨は止まないかもしれない。でも、土砂降りの夜を照らすように、音楽も止まない。それは、死なないためじゃなく、生きるために必要だからです。
いつかまた、あのなつかしい三密の場所で会えますように。お願いばかりでごめんなさい。どうぞよろしくお願いします。
篠原美也子