保育園友だちで家族ぐるみの仲良しOさんち。
ダンナさんの故郷は釜石で、ご両親が被災。
高台の仕事場にいたお母さんはすぐに無事が確認されたけど、
お父さんの安否が、なかなかわからなかった。
駆けつけたくても、道路も鉄道もアウト。
ダンナさんはずっと、
ツイッターやインターネットを使ってお父さんを探していたけど、
情報は少なく、しかも錯綜して、
さぞかし歯がゆいことだったろうと思う。
地震から10日近く経ってようやく現地入り出来ることになった時、
津波に流されてしまったお父さんの遺体が、
自衛隊によって発見されたと報せが届いた。
ダンナさんは最後まで、
取り乱すことなく、ひとことも不満を言わず、批判もしなかった。
ただ、遺体が見つかったことに感謝し、
情報を寄せてくれた人たちに感謝していた。
同じく保育園友だちの仲良しTさんち。
ダンナさんは防衛省勤務、
奥さんは現在内勤だけど自衛隊員というおうち。
国防、というイメージからは程遠いほっこりしたご夫婦。
大変だね!と奥さんにメールしたら、
いつもどおりのほっこりした様子で、
自衛隊頑張ってますよ〜まだ出動命令ないけど私も準備してますよ〜、
と返事が来た。
ダンナさんは私がリツイートした頑張れ自衛隊の写真を、
プリントアウトして職場に貼っているそうで、
美也子さんの活動を心から応援してますと、
笑顔が透けて見えるような言葉で結ばれていた。
Oさんちにも、Tさんちにも、
居酒屋ミヤコは自粛しないから、
いつでも来てね!カンパイしようね!と目一杯不謹慎なメールした。
電話だったら泣いてるのばれちゃうから、
メールって便利だなと、思った。
幸いなことに、
家族を亡くすこともなく、出動命令を待つこともなく、
津波で家が流されてもいない私たちに出来ることは、
心を流されないということじゃないかな。
必要以上の安心や不安を買い占めたり、
それを誰かに押し付けたりしないでいたいなと思う。
言葉を発する前にほんのちょっと立ち止まって、
それが誰かを傷つけないか、悲しくさせないか、
自分のことばかり考えていないか、を考えたいなと思う。
だって、地震の前にはみんなそうやって、
ひとを思い、思いやり合って過ごして来たはず。
地震、津波、原発事故は多くを奪い、今も奪い続けようとしているけど、
心まで奪われてたまるもんか。
いま、不安でない人なんて、ひとりもいない。
でも、疑心暗鬼という二次災害に負けたくない。
こんな時だからこそ心を高く掲げ、歯を食いしばって、
なけなしの勇気をありったけはたいて踏み止まりたい。
心の値段を、下げてはいけない。
これから長く続く闘いのためにも。
あたしもこわい。気持ち、わかる。
だから、こわがらないで、って簡単に言えない。
でも人生はいつだって、
こわい、だけで生きて行けるほど簡単でもない。
元気出していこ。