遠くから

遠くから見てるだけでいい
それ以上は望まないから
遠くから見てるだけの日々
いつまでも続けと願った

笑い声や 光る汗を
その季節ごと 胸に刻んで
通り過ぎてしまわぬよう
どうか どうか どうか

遠くから見てるだけでいい
遠くから 遠くから

遠くから見ているだけじゃ
仕方ないよ 友だちは言った
そうだねと頷きながら
臆病な心知っていた

出会い頭 肩が触れた
あの放課後の埃の匂い
触れた場所を 手で押さえて
どうか どうか どうか

この冬が終わればもう
見ていることさえ出来なくなるから
春よ来るな 春よ来るな
どうか どうか どうか

そして今 春の校庭で
さよならも言えないままで
最後まで見てるだけだった
それでも大切な恋だった
それでもほんとうの恋だった