split

小走りで駅を目指す
こわいから時計は見ない
言い訳を探しながら
残してきた仕事を思う

やりかけの歯がゆさと
置き去りの後ろめたさを
全速力 行き来してる
あたしはなんだろう

変わりかけてる信号 走って渡る
クラクションが舌打ちをする
振り向かず また走り出す

何が欲しくて 何を見たくて
何のために息を切らして
戻ることも 進むことも
出来ないままに ただ急いでいる

女はと言われるから
仕事場で時計は見ない
男はとランチタイムに
こぼしても仕方ない

中途半端を責める自分の声が
クラクションにかき消されて行く
振り向けば悔やんでしまう

何を手にして 何を失くして
誰のために夢をつないで
戻る道も 進む道も
同じくらいに風は強くて

何が欲しくて 何を見たくて
何のために息を切らして
逃げることも 選ぶことも
出来ないままに ただ急いでいる

飛び乗った電車の窓
映るのはどっちの顔
選ばないあたしを許して
逃げるのを許さないで