受話器越しの声は何だか細くて
らしくないねと わざと弾ける声
月がきれいだから とてもきれいだから
声が聞きたくてと笑う
足元にからまる電話線の彼方
どんな溜め息を隠してあなたは
去年の今頃は何をしてたっけ
たわいない話 続けてる
思い出せない程に夢中だった日々の
ひとつひとつの場面にいつもあなたがいて私がいたね
力になりたくて 力になりたくて
体がふるえる程 自分が歯がゆくて
言葉に出来なくて唇かみしめた
You are my favorite 恋人じゃなくても
傷つけた痛みと傷つけられた痛みは
きっと同じだといつか話してた
不意に軋んだ声 やりなおさないか
気が遠くなる程時が流れたら
もういちど言ってよ その時初めて
大声で泣けると思うわ
忘れることのほうがつらいこととわかった
あなたなしでは何も出来ない そんな風に愛し合ってきた
受話器越しの声は何だか遠くて
何かしてあげたい たまらなく思う
だけどその心にひそむ憐れみが
何よりもあなたを傷つけてしまうね
わかっているけれど 力になりたくて
何にも出来なくて 自分が歯がゆくて
言葉にならなくて 受話器を抱きしめた
You are my favorite
恋人じゃなくても